彷徨うびいはどこへ?
タロット占い師との出会い
8月28日 金曜日
びいの調子が悪すぎる。何もできない。ご飯食べない。
何かきっかけがあればと思うんだが、ダメだ。ダメダメスパイラルだ。なんとか昨日は朝になるまでに寝かせたが、12時ごろ起きて、また二度寝。
14時過ぎに起こして、なんとか水を飲ませ、ヨガさせるべく、突っつくが、なかなか……
何か食べさせようにも何も食べない。
ずっとグダグダで、いろいろ試したがどれもダメ。いろんな動画を見せたり、絵を描かせたり、とりあえず腹筋や背筋、ヨガだけはさせたから、ご飯は食べてくれるかな?
急に号泣しだしたりで、何度も繰り返すので、俺の頭には「入院しかないか?」と、ちらっとそんな言葉がよぎる。
急に笑い出して、楽しいことだけを思い出したりして、目の前にある現実とまるっきり無関係な現実に生き始める可能性がある。
そうなって……俺でも引き戻せなかったら……。
もうダメかもしれない……。
そうならないように、現実にいさせないといけないが、現実は厳しすぎる。厳しい現実を直視させるとおかしくなる以上、どこか目を逸らさせるしかない。
まあ、これでも良くなった方と思うしかないか?
外を歩いている時に泣いて歩けないというのは、ない。日本でそれだとまずいからな。海外だと案外目立たないから。たとえ泣きながら歩いても。
いろんな可能性を模索して、検索かけたり、アルバイト探したり、今日はまたお母さんのところに、何か作って持って行くのに絶好の機会だし、何かしよう?と提案する。
お前、誰か世話する人とか、猫とか魚でもいいから、愛情注ぐ相手が必要なんだよ……。仕事でも何でもいい。お前にはそれが必要なんだよ、愛に飢えているというのは、愛情を注ぐ相手が必要ということでもあるんだよ。困ったな……。
とりあえず昨日のトラブルは、解決したはず。
タロット占い師、恨むぞ……。ここまでクライアントのメンタル壊すような荒療治、これだと自殺してもおかしくないぞ。自殺以前に、完全に壊れてるみたいで、俺の手にも追えなくなってきた。
頭痛い。
数日前に、ここのブログのこの一年分を非公開にした。結構、ネットに詳しそうな人だったから、ここを探し当てられるとまずいからな。そろそろ潮時だとも思っていた。案外アクセス伸びていたのに、残念だ。
俺がそれを一瞬にして決めたのは、戦記の人の目立たない場所に、一つ星のレビューをつける奴がいたからだった。誰だ?
こっちのトラブルが、戦記の人に波及したら困る。逆恨みされた? びいの恋を徹底的に邪魔してやろうなんて、そんな中学生みたいな……ことは、さすがにないよな。
俺と同じくネットの中の住人で、金はないが暇はある人かもしれず、俺はよりにもよって何でこんなヤバいカードを引くんだ、と戦慄した。俺よりもずっと、
それにしても、奇妙な偶然の一致だった。そのタロット占い師、遠方に住んでいるのに、びいとすれ違っている可能性がある。このすぐ近所と、アメリカで。
びっくりするよな。1994年、1996年だ。まだインターネット創世記。一月。
偶然はそれだけでなく、このタロット占い師の恋人も死んでる。それから多分、もしかしたら、この占い師の恋人の若い頃はびいに似ているのかもしれない。微妙に。
単に占いをしてもらっただけなのに、激昂した先生にびいはアク禁くらった。俺がおかしいと思って調べたら、そんな事実がボロボロと出てきた。近親憎悪だな。自分に当てはめ、憎くて仕方なくなったんだろう。目を覚まさせてやる! ということだな。
まあねえ、それはびいのために良いかもしれないが、その前に死んでしまったら元も子もないだろうが。
こういう奴は、杓子定規に「角を矯めて牛を殺す」。自分でもブログに書いてたが、だから「死神」かもしれないと自分で自覚する通りになるんだ。人というのは弱いから、あまりにも厳しい現実には耐えられない。そこをごまかしてあげないと、本当に死んでしまうよ。
そういうごまかしは「悪魔が見せる幻影」というのは当たっているが、命を絶つのなら、まあ、悪魔も万々歳じゃないか。それとも、もっとズルズル苦しんだ方がいいから、ごまかしながら生きる方がいいというのかな。
とにかく、この先生からしたら、俺も悪魔ということになるな。助けてあげるというのが良くないことなのだとしたら。びいに言われたことがある。「もっと苦しい時もあった、なぜその時には岬くん、助けてくれなかったの?」と。
いや、それは「たまたま」だよ。お前の人生と俺の人生が、たまたま今、クロスして出会ったからさ。
「俺は悪魔なんかじゃない」と思うよ。単に自分でそう思うだけだから、わかんないけど。
それにしても、何でよりにもよって、こんな変な出会い。
このタロット占い師を選んだのは、たまたまだ。五百円クーポンがあと10分くらいで期限切れだから、もったいない、勉強の意味も兼ねて、使ってもいいと思ったのが運の尽きだったな。まさかここまで、びいのメンタル壊されるとは。
途中から俺にスイッチしたのも、まずかったかもしれない。
議論としたら「主観的に物事を見ずに、客観的に見たらこの恋は既に終わってますよ」というだけのことだったんだが、びいが怒るならともかく、何で占い師の方が怒るんだよ、謎だよ。
なんでこんな変なサイクルに落ち込んだのか、これでこの話が「完全に終わり」だといいんだが。
びいのお母さんに昨日俺がこの話をしたら「恋人や大切な人を亡くすなんて、誰も彼もが経験することじゃないのに、何でかしら!?」と言っていた。
そうなのか……。
俺にとったらそうじゃないけどな。俺もあの子を亡くしてるから。
タロット占い師との奇妙な偶然の一致は、それだけじゃなかった。
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