第154話 Bの真意
真っ暗な中、疲れ切った俺が寝ているBにドアの先から話しかけた。
B、あのさ……
思わぬしてBは起きていた。
思うんだけど、いろいろ無理があるよな。やっぱ、俺、出て行くほうがいいよな。
出て行くとなると、この屋敷を売って、ってことになるだろうけどさ……
Bは答えた。
それがいいかもな。
俺は驚いた。
お前、この屋敷に固執してただろ。この家を売ること、同意するのか?
Bは「お前がいなくなると、またゼロからだが、それも仕方ないな」と言った。
俺は狼狽して言った。「今みたいな生活できないぞ。今は二人だからこんなところに住んでいられるが、一人だともっと狭いアパート、庭なんか望めない。食費だって」
Bは真っ暗なベッドに横たわったまま、身動きもせず、答えた。「お前、いいやつだから、長い間言い出せずに来たが、そろそろ潮時かもな。俺、お前を失うと、後悔するといつも思って、言えずに来たが、いつまでもこういう生活ってわけにいかない気がする」
俺は軽くショック受けた。
ずっとそんなこと思ってたのか。
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