第21話 過去と今と。

 

俺はなんでこんなことになったのかわからなかった。


 単純にネットに、うさぎちゃんとやりてえ、と書き込んだだけだった。

我ながら馬鹿だと思ったが、本当に可愛くて、思わず誰も聞いてないようなとこで言うならいいだろう、と書き込んでしまった。



 女性たちからは当然のように引かれ、馬鹿じゃないの、と思われた。


 俺はそんなこと全く気にしてないから、具体的な他人の性欲というのは、文脈なく見せつけられると、それは暴力で犯罪であるからな、と、自分が馬鹿であることも承知の上で、誰かが「それ犯罪」というかもな、と思って何気なく発した発言だった。


 それがなぜこんなふうに、俺が泣きながら洗いざらい懺悔しないといけない羽目になったのか、それは。


 俺は自分の中では気づいてなかったいろいろなことが、俺が何気無く書き込んだ中に、明らかになっていたということについて、本当に驚いて、それでネットの対話を続けた。


 いろんなことがボロボロと出てきて、俺は気がついたなら泣きながら、検査でぽっかり空いた暇な時間も相まって、心身ともにボロボロになりながら、読み返すこともせず、書き込みを続けた。


 最初は、うさぎちゃんとやりたいな、こんなふうならどうかな?なんて、書き込んで、Bはそれを見て、またかよ、お前、暇なんか、とせせら笑った。


 ほっとけよ、俺もっとなんというか、未知の可能性とか、なんか師匠とか出会えるかもじゃん。ここをこうしろ、とかさ。


 最初、そんなふうに、後腐れなく出会った人と楽しみたいな、というようなつぶやきが、なんで俺自身の懺悔の機会になるんだよ。


 俺は、泣きながら必死に何かを訴えてる自分というのが、そんな自分がどこかに隠れていたことについて、ショックを受けていた。俺は、すべて適当に楽しく生きたいんだ。でも本当の俺は全然そうじゃなかった。俺は真面目なのか。きっと真面目だよな。


 俺はセックスとか実は嫌いだ。相手に人格を認めてしまうとできないんだ。なんか知らないけど、理想化しちゃってるような、本当に好きな人とはできないんだ。


 わからないけど全てが矛盾していた。俺は何か、美化しすぎてるようなところがあるのか。わからないけど、なぜかそんなふうになってしまう。

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