第2話気分が悪い
ジリリリッ・・・ジリリリリ・・・
目覚まし時計の音が静かな部屋に鳴り響いた。
ベッドの上においてあった目覚ましを寝ていた青年がカチッと止めた。
「うう・・・。」
青年はかなり気分が悪かった。
古い昔の時代の夢を見てしまったからだ。
いや、あの時は幸せの絶頂だったのだが、そこからの結末があまりにも悲しすぎる。今更悔いても仕方がないというのに。
だが母の声に突然思考を断ち切られた。
「凛〜!朝ごはんできたから制服着替えたら食べに来てー!今日から高2なんでしょ!」
台所からだ。
そうだ。今日から高2なのだ、過去を考えている暇わない。
ベッドから降り姿見の前に立つ。
そして学ランを手にとり、着替え始めた。
ふと姿見を見つめた。そこにははっきりとした目、スラリとした鼻、綺麗な唇はイケメンと呼ばれる部類に入るだろう。
実際、彼はよく女子から告白を受けていた。
しかし
彼は彼女らに告白を受けても、どうやって傷つけずに断ろうか、と考えるだけなのだ。
理由は彼が普通の高校生ではないから。
彼は一度は名前を聞いたことがあるであろ
う、前世が
そんな彼の今世での名前を
『
という。
彼は前世自分の妻だった
彼女が生まれ変わっているという確実な証拠はない。
しかし、彼女も生まれかわているだろうという根拠のない自信があるからだ。
元神様がそんな直感で動いていいのか、と思うかもしれないが、彼はよくそうやって前世もぱっと思い立ったことで行動するタイプだった。
よくイザナミからも無鉄砲すぎるとよく言われたものだった。
そろそろ行かないと御飯が冷めてしまう、と思いカバンも持って自分の部屋を出た。
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