第1話

「暑い。とてつも無く暑い。なんで扇風機をつけてもこんなに暑いんだよ、おかしいだろ!」

そう独り言を言いながら僕は学校へ行くしたくをした。

「行ってきまーす。」

と毎日のように半分寝ぼけたまま玄関を出て、通学した。茉莉ヶ丘高校、僕の通う学校、そして、彼女と初めて出会った場所。


靴を履き替え、ホームルームに行くと、篠原玲依、僕の幼馴染がいた。彼の方に向かうと、

「よっ。なに寝ぼけてんだ、な・ま・け・も・の・くん」

「うっせ。」

「ワリィワリィ!じょーだんだよ〜。」

そう、バカ見たな、それと同時にほんのりする、日常的なクラスが、僕をほのぼのとさせた。すると、窓際で、静かに、今にでも壊れそうな細くて綺麗な手で本を読んでいた。するとこっちを向いて、

「あっ、おはよー。君眠そうだね。」

と言ってまた本を読み始めた。

「おっ、なんだなんだ?」

「なんでもねーよ」

「おっ、恋かー!」

「ちげーよばか!あと声でけえよ!」

そう玲依と茶番を続けていると、担任の松田先生が入ってきて、ホームルームが始まった。

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