平成最後の夏だと皆は言うけれど

一色彩乃

プロローグ

平成最後の夏だと皆は言うけれど

僕にとってはただの夏なわけで

高校最後の夏だと皆は言うけれど

僕にとってはただの夏なわけで


夏なんか暑いだけだと豪語する僕の中には

なんだかんだ期待しちゃう僕がいるわけで

夏なんか長いだけだと豪語する僕の中には

なんだかんだ楽しみにしてる僕がいるわけで


ああ最後なんだなあとかすれるように呟いてみたりするわけで

なんだか涙が出るような気がしてみたりもするわけで

それでも結局僕は涙なんか出ないようなやつなわけで

そんな自分が嫌いになれない僕がいるわけで

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