アリスドリームストーリー
カクヨムの規定をすべてこまかーく読んだわけではないので恐縮ですが、規約違反で注意される方を見かけます。悪気があるやつじゃなくて、知らなかったってやつ。どこまで宣伝できるか、という線引き。宣伝はないけど外部サイトの話とか、怖くて具体的に出来ないです。私はビクビクしつつ文字をしたためております。
では本題。二十六冊目、になりますね。今回ご紹介するのはK・Sメッセさま著「アリスドリームストーリー」です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885568883
【あらすじ】
おばあちゃんになったアリスは語る。アリスはどんな人生を送ってきたのか、その波瀾万丈な「物語」を。文学と発明の才能に恵まれた天才。両親の期待と自らの挫折。書店で出会う運命の物語。アリスをアリスたらしめる貴重な出会いが、「タイムマシーンをつくる」というアリスの夢に少しずつ力を貸していく。
【魅力】
この方の書かれる文章は、独特の書き方をされていて、それがとても不思議な感覚です。体言止めと句読点が多くて、それこそ「不思議の国」の住人達が話していそうな文体と言うか。それを読みにくいと評する方もいるでしょうが、少し不思議なくらいだったらむしろ魅力的だと思います。目立つ部分は短所とも受け取れるし、個性とも言える。私はこの小説に関しては、不思議の国のアリスという題材も踏まえて、素敵な個性だと感じました。
【改善点】
前項で述べたように、個性と短所は表裏一体の部分があります。読みにくいという意見が強く出てしまうと、せっかくの魅力も半減してしまいます。
では、何が読みにくさを誘っているのか。私は、読者に想像させる部分が多すぎるからかなと感じました。「○○みたいな服装」「まるで○○のような家」といったように、具体的な例示をして説明をすることは、ある種読者にとって親切であり、不親切でもあります。加減による、ということですね。本文では真っ白い服を「科学者が着ていそうな服」と書いていますが、科学者が着ていそうな真っ白いズボンと服、が私にはピンと来ませんでした。科学者の白と言えば白衣であり、全身真っ白い格好は工場で働く人とか、そういったものを連想してしまいます。でもアリスは目しか出ないような防護服を着てるのではないと思うのです。
読者の想像にすべて委ねるのではなく、より踏み込んで具体的に描写をして、読者の想像の負担を減らすことで、ある程度の読みにくさは解消されるかもしれません。
【その他】
不思議の国のアリス、読んだのがずっと昔のことなので映画とかで知識が改竄されている恐れがあるんですよね。鏡の国のアリスも読んだのにストーリー覚えてないし。ハートの女王が「ちょんぎれ!」って叫んでることしか思い出せない。もっと大事なシーンがありそうなのに。
最後に、このたびは書評企画に参加頂きまして、ありがとうございました。
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