魔王が勇者!
れなれな(水木レナ)
プロローグ
「トウマ、なんで……なんでよお! トウマが死んで、わたしが生き残ったって……助けてよ、だれかトウマを助けてよお!」
鈍色の空から絶望の雪が降ってくる。
トウマはもういない。
ミリシャをこの世に一人残して……
だがのちにミリシャは知ることになる。
魔王がいなければ、勇者もきっと生まれてこないことを……。
勇者に恋した魔王は、その想い一つで、勇者を手に入れたのだ。
未来、永劫――。
そして、魔王を殺すのは、やはり勇者の役目だったのだ。
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