第25話 Boxster Spyderの女...
「
このイントネーションの呼び方をするのはただ一人。そしてこの声は...…
「な、菜々P!?」
あの
「あらぁ?あなたも隅に置けないわねぇ?平日からドライブデートと洒落込み?」
相変わらず皮肉の先制ジャブ。
「違うよ。ただのクラスメイト……の森」
「……ふぅん?ただの。ねぇ?」
ちょっと含んだ笑みを浮かべつつ訝しむ表情を浮かべた菜々緒はチラと森の方に視線を向け
「そんな事より、この勝負どうやら私の勝ちね?」
「は?」
「才、あなた遂に最後まで私に追いつけなかったものね?」
私は何のこと言ってるのかマジでさっぱり見当つかず返答に困った。すると森が神妙な……しかし何処か笑いを押し殺したかの表情で顔を寄せ小声で耳打ちした。
「国松、このコ多分、多分だけどさっきレース……ってか国松と追いかけっこしてたつもりだったんじゃないか?」
ん〜?菜々緒の性格、そして森の推測……
私はようやく呑み込めた!と同時に余りに荒唐無稽な菜々緒 その相変わらずの唯我独尊・ひとりよがり的発想に呆れた。こっちは更々そんな気ないのに勝手に勝負=追っ駆けっこしてつもりだったなんて全く想像だに出来んかったわ!まぁらしいっちゃらしいけど。更にさっき迄の私の悪戦苦闘の運転……きっと最新で高性能に違いない
「ぶ、あっはっはっはっはぁ〜!」
笑うこと脂ぎった中年男の如し……
「な、なによ?事実でしょ?」
てっきり私は悔しがるとばかり踏んでただろうから予想外のリアクションに菜々緒は怪訝な表情を浮かべる。私は
「あ〜もう勘弁してよ!腹痛いわ、菜々Pあんたやっぱ最高やな?」
私は自分より少し背の高い幼馴染の美少女の髪が更に乱れるのも、異性である今日初めて口をきいたクラスメイトに対しても無遠慮かつお構い無しに二人の首に手を回し向こうの作り付けのベンチに無理矢理連行した。
「この前お茶できんかったしな!」
……しかしそれよりナニヨリ一番残念なのは初心者女子高生の駆る新旧2台の若葉マークポルシェだろ?と同級生女子の胸元でヘッドロックされた森は少し赤くなりつつ、心の中でそう呟いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます