第141話

戦局は益々深みに入り込み企業整備が行われた。帯広では食料、雑貨店などは売る商品も無く、約百件の業者が廃業し後は十数カ所の配給所のみ残された。

主人も未だ若い方なので残留の対象には無理もあり、店舗を閉じて銃後のご奉公を軍需工場でつくす決心をされたのである。

浦幌の山田久弥も新得の高松も星野も呉服店を整備され、止若(幕別)の「新田べニア工場」へ勤務する事になった。

新田べニア工場は元々は渋工場であったが需要も減り、合板の工場に転向しべニアのほかに飛行機の部品を作っていた。軍需工場だったので詳しい事は解らないが、戦時中700人を超える従業員を擁す大きな工場であった。

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