第4話 セールスの電話

娘 中1。


RRRRRRR……

自宅の固定電話が鳴った。


「はい。厚木です。……はい、そうですけど。……………いえ、ウチはそういうの結構です。……はい、失礼します」


「ママ、今の電話、誰だったの?」


「セールスの電話」


「え?何だって?」


「塾のセールス。お宅の娘さん、塾に通いませんか?って」


娘は突然顔色を曇らせ、怯えた表情をした。


「えっ?……そ、その人、ど、どこでわたしのバカを嗅ぎつけたの?」


自分のバカを企業が嗅ぎつけてきたと本気で思ったらしい。


おバカはおバカなりに、己がバカだという自覚はあるようだ。

 


 



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る