君の愛

僕に

「『永遠の愛』を教えてあげる」

と言った君は

そのつややかな唇で僕をとりこにした

蛇のように巻き付いて離れないじょう

深海にしずめられるようななさけと

マグマに焼け溶けていくようなじっとりとした激しさで

僕に愛を注ぐ


君から逃げ出したくても逃げられない

君はどこまででも追ってくるだろう

その君から愛されている確かさを

僕は窮屈きゅうくつに感じながらも

心の底では満たされて

君を本能で求めていた


しばらくすると君は

せて小さくなり

消えてしまった


何処へ行ったの?

まさか君が僕を置いてくなんて


晴れた日の風の優しさに

雨の日の水滴すいてき

曇りの日の影のゆらめきに

雪の日の湿った肩に


僕は君を感じるようになった


そこにいるね?


気がつけば君は僕の周りにいた

あの頃と同じように

僕にまとわりついて離れない

離れないね


これが君の『永遠の愛』?


確かに感じてるよ

君の『永遠の愛』を

僕は君を感じてる

いつもいつでも

どこにいても

なにをしてても

君を感じてる

君だけを感じてる


どうすればいいんだ

こんなに『永遠の愛』にしばられて

僕はもう身動きができないよ

僕の残りの人生を

君にあげるから

僕の『永遠の愛』も受け取って?

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