なかなか奥が深かったです。ヒーローショーの役割は、観客に見られる、ヒーロー、ヒロイン、悪役。そんな型通りの役割の中、誰に何を見せるのかを迷いながら悪役は演じ方を模索して行きます。若い悪役の成長を読み進めながら、読み終わった後で振り返り、失ったモノ、贈りモノが本当は何であったのか考えさせられました。
ヒーローショーという一見子ども向けのテーマですが、後半に行くにつれ複雑に絡み合う設定に、引き込まれてしまいます。ただし、まさに人形劇さながらキャラクターそれぞれの役割がはっきりしているので、複雑なのにとても読みやすい良い作品でした。ヒーローが悪役を倒して終わり。そういうシンプルなストーリーに飽きた方にオススメです。