モニター・モニター
頭野 融
第1話 プロローグ
左手にスマホ、目の前にパソコン、口の中ではガムを噛み、テレビをつけっぱなしにしている。親のいない午後7時の家で好き勝手しているのは、地元でトップと言われる高校の一年生、梨川 卓也だ。彼は、パソコン好きが高じて、乗っ取りやハッキングなどもできるようになっていた。もちろん、手当たり次第に首を突っ込んで捕まるようなことはしない年代だが。さらに、彼は「じぇんとるまん」という名前の作家でもある。まだネット上の投稿サイトに投稿するレベルだが。
そんな彼はいま、クラスメイトのLINEを見ている。といっても彼自身はLINEをしておらず、ハッキングのスキルを使って勝手に見ているのだが。
そして、彼は小説のネタに尽きていた。ある程度自分が書きたかった題材は書いたし、何か閃くものもない。
その思考の末、彼はあることを思いついた。
現代高校生のリアルを、LINEの様式で書けば面白いんじゃないか、と。さらに、LINEをそのままコピペすれば、手間は少なくて済む。なにかトラブルになるかもとも思ったが、それはなってから考えよう。
彼はそう思って小説作成の画面に進んだ。クラスメイトがほぼ参加している1-5のクラスLINEは彼の思惑なんて知らず、次々と会話に花が咲いて行っていた。
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