I believe
ノン❄
第1章
第1話
夕方から降り出した雨が一層激しさを増してきた
少しまで話してた彼の電話の声がいつもと違ってて...
何か言わなきゃと息を吸い込んだ途端、遮るように小さく低い声で「じゃあな」と切れてしまった電話
窓ガラスを叩きつけるような雨が降っている
もう一度、架けてみよう、戸惑いながら指を動かそうとした時、彼からの着信
「もしもし?」
「真優、開けて」
「どうしたの?」
慌てて鍵を開けると、ずぶ濡れになった彼の姿
長く伸びた前髪から滴るしずくは
雨なのか?
涙なのか?
俯くその顔を覗き込もうとすると、いきなり抱きしめられた
「会いたかった...」
「何か、あったの?」
問いかけに答えはなく、抱きしめる力が強くなる
「わかった。何も聞かないから、離して?
着替えないと、風邪ひいちゃうよ」
私の言葉にハッとしたように腕を緩めて、申し訳なさそうに言う
「ごめん、お前も濡れちゃったな」
湿った髪を撫でながら、弱々しい目で見つめる彼。
見ていられなくて...
「大丈夫よ。タオルとって...く...」
離れようとした私の腰をもう一度グッと引き寄せて、唇を塞がれた
「り...く...っ」
「今すぐ...抱きたい.....いい?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます