第15話

部屋に入ろうとすると、真優の足が止まった


「どうした?」


彼女は今にも泣きそうな顔で恐る恐る話し出した


「私…理空にわがまま言って待ってもらった

もし……この3ヶ月で、私のこと……もういいやって思ったりしてたら、無理…しないでね。

私はあの日、また理空に会えるなんて思ってもみなかったんだから」


「また、俺を怒らせる気?」


「だって…」


「絶対、会えると思ってた。

何処に行っても俺が真優を見つけ出してやるって思ってた


真優…淋しい思いさせてごめんな

ただいま」


「うっ、り...く... おかえり」

大好きな彼の胸に飛び込んだ


「グスっ私も…ただいま」


「おかえり、真優」


どちらともなく重ねた唇が愛しくて、離れる度に焦るように繰り返されるキス


「はっ、んんっ」


絡める舌が深くなり、彼の手が脇腹をなぞる


「理空…あの」


「わりぃ、慌て過ぎだな」


抱き上げられてベッドにおろされた

私に跨がると髪を撫でながら優しく微笑えむ


そのしぐさを見てるだけで嬉しくて

もう、泣いちゃいけないと思ってたのに、また涙が目尻から流れた


瞼にキスを落とすと頬に手を添えて丁寧に唇を塞がれた。

身体を確かめるように少しずつ唇が下へと進むと同時にどんどん服を脱がされていく


「真優…はぁー、俺…優しく出来ないかも」


「いいよ、理空が好きなようにして」


そう言った言葉に返事はなく、その代わりに胸に添えた手に力が入る

強く吸ったり転がしたり…

私はもう、既にたまらなくなってた


「ぁああ、もう、」


「まだだよ……まだまだだよ」


「んんっ、理空」


溶け出したところを刺激され、溢れ出す


「もう、無理…」

そう懇願しても

彼は指が動きを止めてくれない


「俺も無理かも」

一気に突き上げられた感覚に全身が熱を帯びていくのがわかった


「うっ、やべぇ、真優の中熱い」


深く深く繋がると

身体がどっかにいっちゃうんじゃないかって、思うぐらいで



「理空...離れたくない…」



「真優…ずっと一緒にいような

.......愛してる」


心が震えた言葉を聞いた瞬間

力が抜けていった


「っんだよ、まだって言ったじゃん」


俺は目を閉じた彼女を抱きしめて、眠りについた




朝方、腕の中に真優がいない


慌てて探すとバスルームからタオルを巻いて戻ってきて、ベッドに腰かけた


「勝手に行くなよ」


手を引っ張って指先にキスをする


「シャワー浴びてただけでしょ」


起き上がって座ってる彼女を背中から包んだ


窓から薄暗い静まり返った街を眺めていると朝陽が昇り始める


オレンジ色の光はあっという間に真っ暗で何も見えなかった街を照らし出し、キラキラと建物が輝き出した


何を言っていいか言葉が見つからずお互いの体温を感じてた


すると、真優が俺の手に自分の手を重ねて、静かに話し出した



「理空、あの花ね...」


「花?」


「ロビーの花。

理空を思って選んだ花」


「あー、うん」


「ブルースターっていうの。

花言葉は...信じ合う心。

理空が私のこと信じてくれてたから、私はまた、進めた。

だから、あの花を選んだの

理空、ありがとう」


顔を覗こうとするとプイッとよそむく


「何、その態度?」


「グスっ」


「また泣いてんだろ?

ほんと、昨日から泣いたと思ったら、勝手に眠ってしまうし」


「だって、理空が激しい…から」


「まだまだって言っただろ?

好きにしていいって言ったよな?」


「…はい」


「じゃ、ということで」


「えー、ちょっと待ってよ

あっ、そうだ!理空、今日大事な日だよ」


「大丈夫、まだたっぷり時間ある

何回出来るかなぁ」


「何回って、無理無理、むりー」


「無理なんはこっち。どんだけ俺が耐えたと思ってたんだよ

その分たっぷりな」


「あっ、もっ、やぁー」



理空...信じ合う心があれば、

ずっとずーっと共に歩いていけるよね



I believe in you and I love you


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