蠟燭の火が消えるとき
七条ミル
1
彼、
元来特徴の少ない人間には友達というものが出来づらいものである。当然のように彼の友達は少なくなってしまってた。
しかし、居ないわけではないのだ。さらにいうなれば、その少ないうちの一人には親友と呼べる仲の人間も居た。
その親友は
半ば対照的な二人ではあるが、それ故に仲良くなったというところも少なからずあった。
他にも友達は数名居るが、ここではもう一人、友人として
彼は西脇とは真逆の人間、本庄ともまた違う種類の人間である。勉学もスポーツもどちらかといえばできないほう、大学にも一年間休み無く勉強してやっとギリギリ入れるレベルであったし、長距離走などは毎回最下位であった。性格も少し捻くれ、どちらかといえば嫌われる種の人間である。
ただし、西脇や本庄はどちらかといえば誰とでも接するタイプ、まあ、友人と呼べるなかではあるだろう。
そして最後に、本庄の幼馴染である
本庄は昔からその山室美里に恋をしていた。物心付いたときには好きであったし、それは何故か昔からかわらずにそうである。
恋愛関係は一切持たぬが、時々二人で遊びに行く、つまりデートなどをしたりする仲ではある。
かく言う山室も、昔からそれなりに本庄のことが気になっており、そのデートなども楽しみにしていたりする。
四人のうち、この山室のみが別の大学に通っており、山室は西脇や草間とは面識が無い。
本庄の友人というわけではないのだが、この人も紹介しておかねばなるまい。
山室を除いた三人が通う大学で『死』についての研究をするテシガワラ教授である。
彼は死について少しでも興味を持つものに自分の研究を披露し、さらにそれについてよい反応を見せたものには強制的に研究を手伝わせるという、なんとも
その日、本庄はいつものように西脇と駅で落ち合い、大学への道を歩んでいた。
大学に到着すれば大体毎日先に着いている草間に話しかけられる。
「本庄……お前、もう寝ろ。」
本庄は出会い頭にそう言われた。元からわけのわからない男である。時々わけのわからないことをいうから、きっとこれもそれの一つだろう、などと思いながらも一応西脇のほうをチラと見る。
西脇は、すべてを悟ったような顔で本庄を見ていた。
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