第3話本の虫
エリザの住む山々は孤島の中にある。
船もあるのに住人は誰一人出て行こうとしない。
なぜかって……あまりに住み心地が良すぎたのだ。
エリザは幼児の頃から本ばかり読んでいた。
ドストエフスキー、マルクス、デカルト、ニーチェ、ヘーゲル……とまあ大人ですら理解出来ない本を読み漁っていた。
「幾何学的宇宙論」はエリザが、アインシュタインの相対性理論を読んで、嚙みくだき、ホーキング博士の論文を付け足し、自分なりにアレンジしたものだ。
しかしこの孤島の平和は長く続かない運命にあった。
2018(H30)6/4(月)
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