思い付きショートショート

白井きつね

告白

 告白をした。


 相手は僕の一学年上の先輩で、艶のある長い黒髪が特徴的な、綺麗な人だった。

 成功するかどうかなんて、わからない告白だった。


 またある日、告白をした。

 失敗しないはずの告白だった。すべてのことが上手くいっていた。

 

 しかし、先輩は首を縦には振らなかった。


 そう簡単な話ではないとわかってはいた。険しい道だと知っていた。そして何より、次こそは成功させてやると思った。


 ああ、またやり直しだ。

 僕は自宅で大きな砂時計を手にして、それを逆さにしながらこう呟いた。

「これで12679回目か……。」

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