ライダーオタの異世界転生記

@maosen

ライダーオタと告白と死

「ありがとうございました~」

今日も聞き慣れたコンビニの店員の

声を聞く

夏休みだからシフトが多いのだろう

ご苦労様

そんな事を思いながら帰路の道を歩く

17歳の青年 東野 宗二

彼は仮面ライダーが大好きである

カッコイイ必殺技やライダーの姿

その何もかもが彼には輝いて見えたからだ

今日コンビニに寄ったのも新しく発売

されたライダー系のお菓子を買うため

「お、カブトだ ライダーキックの

ポージングのままカードにするとは...

神だな」

いそいそとカードを財布にしまい

帰り道を歩いていると

「あれ、宗二じゃない

珍しいわね、こんな時間に外にいるなんて」

後から幼馴染の 秋元 響が話しかけてきた

「お、響か 俺は新しい仮面ライダーの

グッズを買いにコンビニに行ってただけ」

「本当に好きね、仮面ライダー

3歳の頃からずーっと続いてるもんね」

「ま、仕方ないな カッコイイから

お前は何で?」

「私は 今日日直だったから

日誌提出したり、色々ね」

「なるほど じゃ、一緒に帰るか」

「ええ、良いわよ」

二人一緒に歩いていく

その間、彼らは学校の事や世間話をしていた

その時だった

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

二人はその声を聞いた途端走り出した

現場に着くとナイフを持った中年のおっさんが20代前半の女性を襲っている

「響!警察呼べ!」

「え、ええ 分かったわ!」

すぐに響は110番をする

しかし、おっさんの手はどんどん女性に

近づいてく

(どうする...このまま突っ込んだら

多分死ぬ だが、警察を待ってたら

女性が危ない どうする..どうする....)

その時、ふと頭に言葉が出てきた

「自分の手が届くのに

手を伸ばさなかったら死ぬ程後悔する

だから、手を伸ばすんだ それだけ」

よく聞いた火野映司の言葉だ

「うぉぉぉぉあぁぁぁ!!!」

宗二はおっさん目がけてタックルした

「逃げろ!早く!」

女性に大声で叫ぶ 彼女はこくんと、頷き

走っていった その間に警察が到着した

「宗二!何やってんの!

自分の命を投げ出すことなんかして!」

「すまんすまん いてもたっても

いられなくてな、つい」

「もう!心配かけたんだから

明日ケーキ奢ってね。 300円のヤツ」

「へいへい、わかりましt...」

背中にズドンとした痛みが走る

見るとおっさんが警察の拘束を

解いて宗二を刺したのだ

「はは...マジか」

その場に倒れる宗二

(ああ...意識が...こりゃ、ダメだな...

まぁ...いっか... 助けられたし...)

意識が朦朧とするなか響が必死に

語りかけてくる しかし宗二には

朧けにしか聞こえない

「響...」

「宗二!気をしっかり持って!

死んじゃ嫌だ 死んじゃ嫌だ !」

「おっさんは..?」

「警察が捕まえた だから大丈夫」

「そっか..あぁ..無理だな、こりゃ」

「宗二!宗二!」

「落ち着けよ...響...何か..言いたいこと

あったら言っとけ..」

その言葉を聞いて響は宗二の耳元で

声を出す

「好きだ..大好きだよ!宗二!

だから...だから死なないで!」

「そっか..なら..返答しないとな...

好きだよ...響」

その言葉が東野宗二 最後の言葉であった

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