君は上手に泣けない
りおん
プロローグ
「ひっ、う、うあ」
狭い教室で彼女の泣き声だけが響いていく。
「ふ、うう、くぅっ」
俺は、泣き声と共にその小さな体を抱きしめた。彼女の震える手が俺の腰の辺りに触れた。その手の冷たさを感じながら、俺は抱きしめていた力を少しだけ強くした。
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