第1話 招待は突然に


今の人生が最悪だ。とは思いませんが、

やっぱり転生には少し憧れちゃいます。

あ、もちろんチート能力もちでよろしくお願いします(笑)


byめると


◇◆◇◆◇


ん?あぁ、諸君。初めまして?

俺はとある製造会社に務める、そこらへんにいる社会人のごく普通の20歳。

昨日は何をしたとか先週は何食べたとか、そんなことまるで覚えていない。ただなんとなく今を生きている。毎日同じ繰り返し。そんな感じだ。

1つ確かに覚えているとしたら俺が16歳のときに両親と旅行中、交通事故に合い自分だけ助かってしまったということだ。

昨日のことすら記憶に残らないほどのつまらない人生、いっそあのとき俺だけが死んでしまえばよかった。そうおもえる人生だ。

そんな俺は今日も仕事終わりにコンビニに寄りお気に入りのカップラーメンを買って帰る。

おっ、そういえば週刊少年ギャンプの発売日だったな。お気に入りの異世界転移ものの漫画を毎週のように立ち読みしている。それ以外読むのはないので購入までは至らない。

異世界転移、、、俺もいっそこんな人生に終わりを告げて異世界でチート能力授かって冒険者になって有名になって挙げ句の果てには勇者と呼ばれ美少女に囲まれてウハウハ、、、っといけない、自分の世界に入ってしまっていた悪い癖だ。

余計な妄想を繰り広げながら目的の漫画を読んでいると




「なぁなんか変なメール来た」

「えーなに?あ、これ今日の朝俺も来たよ。え、お前ゴブリンかよw」

「え?なにこれ人によって違うのかよ、お前は?」

「俺は人間(平凡)だったよ。書き方からして(天才)とかも居るのかもな。その【はい】の選択肢押せばストアにとぶからアプリインストールすればキャラ設定とかできんだよ。ただゲーム開始はまだ出来ないみたいだけどな」

「ふーん、おお、ステ振り悩むな。5ポイントとか少なくね?」

「いやまて、俺は3ポイントだったぞ、種族的な問題か?ゴブリンずるいわーw」

「おまえ若干バカにしてるだろw特典の【木の枝+1】で殴りつけるぞwww」



などという少し楽しそうな会話が耳に入る。

実に気になる内容ではあるが見ず知らずの人に話しかけるほど積極的な性格はしていない。

帰ったら少し調べてみるか。

漫画を読み終わり、カップラーメンとプリンを購入して家に帰る。


「ただいまー」

って言っても独り暮らしだから返事があるわけもなく、いや逆に返事返ってきたら怖いわ。

飯を食い、シャワーを浴びてさっきの気になるゲームを調べようとPCの電源を入れる。


「ピロロン!」

そんな中、携帯に一通のメールが届く。


この一通のメールから俺のつまらなかった毎日は変わり始める。


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差出人:unknown

件名:ベルンガルドへの招待状

本文:魔王になりますか?→はい/いいえ



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っ!!

これはもしかしてもしかしなくてもさっきの人達が話していたゲームなのでは!?

それにしてもタイミング良すぎだな、今日はついてるのか俺。

それに人間でもゴブリンでもなく魔王!!いや出来れば勇者とかが良かったけどゲームとしては悪役の方が楽しめる気もする。


はい/いいえのところがクリックできるようになっている。アプリストアに飛ぶんだろう

「まあ、暇だしな、、、」

べつにゲームは嫌いじゃない。むしろ好きだった。まぁあの事故以来ゲームなんてやった覚えはないが昔はよくやっていた。

試しに「はい」を押してみる。携帯の画面がアプリストアに切り変わりアプリをダウンロードする。

ほんの数秒でインストールが終わったので早速起動する。


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-本当に魔王になりますか?-

   -はい/いいえ-


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オープニングとかも無しでいきなり選択肢?

こんなゲーム初めてだ、、、

もちろん「はい」を押す。


---------------------------------------


-あなたの名前を入力してください-

   [___________]



--------------------------------------



昔ゲームをしていたころの名前を思い出す

たしか、、、パルメル、、、だったか。

俺の本名、  春風めると  からとってある。

春風の【はる】と、めるとの【める】で【パルメル】だ。我ながら単純な命名だと思うが、これはこれで気に入っていた、、、気がする。

入力が終わるとこの名前で本当にいいかどうか確認された。「はい」を押す。



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-あなたの初期ステータスを決めてください-

    残り500ポイント

体力  30+[0](1ポイント毎に+3)

マナ  25+[0](1ポイント毎に+2)

攻撃力 18+[0](1ポイント毎に+2)

防御力 12+[0](1ポイント毎に+2)

素早さ 12+[0](2ポイント毎に+3) 

 運  10+[0](2ポイント毎に+1)


   【おまかせ】【完了】


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500ポイント?聞いた話だと5ポイントとか3ポイントとかのはずじゃなかったか?

やばい、レアキャラに当たってしまったらしい。それにしても500ポイント、、、ってなかなかめんどくさいな。さてどうしたものか、平均的にあげるのが無難だろうがそれはそれでつまらないものもある。

ここはもう、おまかせに頼ることにしよう。

「よろしくおねがいしまっす!」などと叫びながらおまかせボタンを押し、しっかり確認もしないまま完了を押した。これでいいですか?の質問にも「はい」だ。

次の画面に切り変わる、まだあるのか、、、。


次はボーナス特典を選べというものだった、数ページにおよぶ特典の中から5つだけ選べるらしい。俺は自分の直感を頼りに、たぶん使えそうなものを選抜した。



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       ボーナス特典

    武器:殲天(せんてん)・バロム

    装飾:七風神(しちふうじん)のピアス

    特殊:取得経験値2倍 

    特殊:初期DP+1000  

    特殊:全能力取得可能


 これでいいですか? はい/いいえ


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正直、武器と装飾に関しては名前で選んだ。特殊項目についてはおそらくあれば便利だろう程度だが、そもそもどんなゲームかすら知らないのだ、気に入らなければまた最初からやればいい。とりあえず【木の枝+1】とかじゃなくてホッとした。


まあ魔王ってことはおそらくDPはダンジョンポイントの略だろう。

それを使って自陣を広げたり守備モンスターを配置したりって感じだろうな。

せっかく特典でもらうのに1000Pなんて実はスライム一体しか出せない、、、なんてことがないように祈ろう。

その他二つは成長要素に直接関わってくるだろうから損はしないだろう。

いや、全能力取得可能に関しては取得はできるけど必要なスキルポイントが足りな過ぎて、、、なんて罠かもしれんが。

ほかにも【武器:絶影・ゾルア】とか【防具:漆黒の死王鎧】などといった何ともかっこい、、、ゴホンゴホン。なんとも中二病丸出しの痛い、、、そう痛い名前がずらっとならんでいたが、俺はそこまでこじらせちゃいない。

「はい」を押して次に進むとしよう。



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あなたの初期ステータスはこちらです。

   パルメル/魔王/LV.1

     体力  630

     マナ  165

     攻撃力  158

     防御力  112

     素早さ  102

      運   35



     ボーナス特典

   武器:殲天・バロム 【10】

   装飾:七風神のピアス  【7】

   特殊:取得経験値2倍  【-】

   特殊:初期DP+1000   【-】

   特殊:全能力取得可能  【-】


      確認


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妙に体力だけ高いな、おまかせにしたのは間違いだったか?体力に200ポイント使用か。

それになんだ?ボーナス特典の隣の数値、武器防具だけ数値がついているけどまさか使用回数じゃないよな?少なすぎるんじゃ?

どうやら戻るボタンはないらしい、携帯本体のホームボタンもなぜか機能しない。

若干の不満を抱きながらも確認ボタンを押す。

次は容姿の設定らしい、キャラクターの見た目が少しだけ幼いがなんとなく俺に似ている気がする。高校生の時の俺みたいだ。

目や鼻などの変更はできないらしく、できることは角や翼の取り付け、形を決めることぐらいだった。

角は触覚みたいなのをつけておこう。うん、かわいらしい。

翼は虫や蝙蝠(こうもり)のような羽じゃなく鳥のような黒い翼にした。

とりあえずはこれでいいだろう。確認ボタンを押す。


これでやっとキャラ設定が終わった、これでゲーム開始だ。いつの間にか、ほんの少しではあるがゲーム開始を楽しみにしていたようだ。ワクワクしている自分に気付く。

※もう二度とここには戻ってこれません。よければ準備完了を押してね

と書いてあるからキャラの作り直しはおそらくできないんだろう。

俺は準備完了ボタンを押す。


急に携帯の画面が暗くなり、いつものホーム画面に戻ってしまった。

「はぁ?」

思わず声が出る。今までの設定はなんだったんだよ。


「ピロロン!」


携帯の着信音がなった。

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