侍・マッチアップ!
@dirtytom
プロローグ
嵐のようなドリブルだった。
ゴールに向かって一直線に突進していく圧倒的な存在感は、立ち塞がるディフェンダー達をバッタバッタとなぎ倒す。
ペナルティ・エリアの外から豪快に蹴りつけると、ボールに触れてもいないGKが弾かれるように吹き飛ばされていった。
破壊力満点のキャノン砲がゴールネットに突き刺さり、満場の観客席もろとも会場を激しく揺さぶる。
すると十番を背負った選手が口をへの字に曲げ、腰に手をあてて踏ん反り返った。
天に向かってそびえ立つ剛毛。
沸き起こる絶叫のその半分がブーイングであったとしても関係ない。
スタンド全体が彼に注目していることに変わりはないのだ。
タイムアップを告げる笛の音が高らかに響き渡り、ワンマンショーの幕を下ろす。
そして、それまでのスコアをはるかに凌駕する数字で、彼は高校選手権の得点王の座を手中に収めた。
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