第27話 皇帝ウラノス・ダームズケイル

――『生霊の憑代ハウンズ・ポゼッション


これはニトが、マダム・フランから奪った『屍者の降霊ネクロマンス』を反転させ、得た魔法だ。

相手の精神に侵入し、肉体に憑依する魔法。

そして相手の自由を奪い、支配する。

何もかも……


「ニト……だと?」


皇帝ウラノスは“イヴァン”を睨みつけた。

王座の肘掛けを掴む手に力が入り、汗がにじむ。


するとニトはビクビクと震えながら、柱の影から顔を覗かせる、ある者を見つけた。


「お前は……確かラージュとか言ったか? 久しぶりだなぁ? あの時はよくも逃げてくれた。おまけにその後、刺客まで寄こしやがって……おかげで俺の仲間が傷ついたぞ?」


「ひっ! ご……ごめんなさい!……」


ラージュは完全に柱に隠れた。


「あ? なんだお前? 前と全然違わないか? もしかして俺が怖いのか?」


そしてニトは薄ら笑みを浮かべると、


「せめてお前だけでも殺してから帰ろうか? なぁ、どう思う?」


と、ふざけたような口調でそう言った。


ラージュはその言葉に震え、誰にも見えないところで涙を浮かべた。

意識を保っているのが、やっとだった。

この場にいる殆どの者には、その恐怖が分からない。

ラージュ以外、ニトに会うのは初めてなのだ。


その時、ニトの背後にガゼル・クラウンが現れた。


「ネズミの首は我がいただく!」


そして、紫の波動を放つグレートソードで切りかかろうとしたのだ。


「しつけがなってないなぁ? 皇帝――」


だがその直後、ガゼルの振り上げた剣が空中で止まった。


「ぐっ!……」


ガゼルは歯を食いしばり、動かない頭上の剣をカタカタと揺らしながら、一筋の汗を流す。

その表情からは動揺が窺えた。


――『念動力』


ニトのスキルだ。


「今回は話をしにきただけだ」


ニトはそう言うと、皇帝の次の言葉を待った。

ウラノスはガゼルの表情とニトの表情を窺い、返答する。


「剣を下げよ……この者と話をする」


するとニトは、皇帝の物分りの良さにニヤリと笑う。


「流石は皇帝、話が分かる」


「陛下、私が殺りましょう!」


だがそこでジェイド・ギュゲスが口を挟んだ。

ニトはそう言ったジェイドの顔を窺った


「お前?……後ろの奴らとは魔力のケタが違うなぁ? ラージュと同程度か? 何だ?」


「へカトンケイル――皇帝を守りし『王の盾』が一角、ジェイド・ギュゲスだ!」


へカトンケイルとは『王の盾』のことだ。

世間一般では『王の盾』として知られているが、正しくは『へカトンケイル』という。


「なるほど……つまり、また一つどこかの国が滅んだということか?」


「手を出すなジェイド、我は話をすると言ったのだ」


しかし、皇帝はジェイドを遮り、静止させた。

その言葉にジェイドは、大人しく剣から手を放した。


「一体、お前らは何を考えているんだ? スパイを送り込み国を滅ぼし、それでどうする?何がしたい?」


「話というのはそのことか?」


「いや、すべてだ。お前らが長い時間をかけ築き上げているこの計画のすべてが知りたい」


その言葉を聞いてもウラノスは表情一つ変えない。


「各国は気づいているぞ? 近々戦争が起こることを――」


「それで良いのだ。今はそれでよい……我らが世界に争いを招くことだけを理解しておればそれでよい。それが不安を生む。目的が曖昧であればあるほど、世界は混乱するのだ」


するとニトはため息を吐き、話を変えた。


「本題だ。何故俺を狙った? 襲撃を阻止されたからか? 俺はただの冒険者だぞ?」


ウラノスは間を空けず答える。

隠す気がないのか、それともその口調で欺こうとしているのかは、分からない。


「厳密に言えば違う。あの国は初めから落とす気などない。ただの宣伝に過ぎん。お主を狙ったのは計画に支障をきたす原因となる、可能性があると考えたからだ。どこの誰かは知らぬが、我の邪魔をされては困るのでな」


「なるほど……じゃあ言っておく。俺は今のところ、お前ら帝国をどうこうする気はない」


「“今のところ”はか……フッフッ、ふざけておるな?」


「いいや大真面目だ。これ以上、俺や俺の仲間を傷つけるのなら、お前らもグレイベルクと同じ運命を辿ることになる。それだけ言っておいてやるよ。後は好きにしろ」


「グレイベルクだと?……」


その言葉にウラノスは違和感を覚える。


――何故そこでグレイベルクが出てくるのか?


だがそれはニトが考えなしに言った、些細な言葉だった。

だが言うべきではなかった。

これはニトの傲慢が生んだ、過言だったのかもしれない。


「貴様……まさか、龍の心臓か?」


そう言ったウラノスの目は、それまでとは違うギラついたモノになっていた。

まるで獲物を捉えたかのような目だ。


だがニトは何も言わず平静を装った。

しかし内心では、言葉を間違えたと気づいている。

そして焦りは怠惰により、怒りへと変わり、体に現れる。


――左眼は紅く、そして禍々しく光っていた。


「その眼……愚者の眼か……」


「知ってるのか?……」


「なるほど……冒険者ニトとは、深淵の者であったか。どうりでラージュが勝てぬはずだ。この怯えようも理解できる」


するとウラノスは納得したようにため息を吐いた。

そして力を抜くように、深く王座に座りなおした。


「そういうことか……徐々にだが、お主が分かってきたぞ?」


ウラノスは皇帝とあってか、非常に分析力に優れていた。

少ない会話で相手を見抜くのが得意だったのだ。


「俺のことはどうでもいい。だが、まず俺から手を引け。でなければこの国を滅ぼす。跡形もなく、城ごとこの世から返し去ってやる」


「ふ……まさにグレイベルクか」


するとウラノスは王座に着いたまま前のめりになり、問う。


「黒龍は元気か? ん?……どうだ? カゲトラはまだ生きておるか?」


「――――――」




……。





――驚愕。




ニトは目を見開いたまま、静止した。


驚愕し、思考をフル回転させ、今ウラノスが口にしたことを少しずつ、一言ずつ思い返し、そして確かめていった。

だが動揺を表面に出す訳にはいかない。

遅すぎたが、ニトはできるだけ平静を装った。


「カゲトラ……だと? 何故、お前がその名を知っている?」


そう問いかけた後、ニトは直ぐに言葉を控えた。

そして心の中で、もっと別の言葉にすべきだったと激しく後悔した。


相手の心意が分からない以上、こちらから安易に話すようなことは、すべきでないからだ。

とはいえ、まさか現皇帝の口から『カゲトラ』の名が出てくるとは思わなかった。

ニトは表情から悟られぬよう、目を逸らさずに、思考を巡らせた。


「ハッハッハッ!…… 動揺しておるな?! 冒険者ニトよ?!」


だがこの手のやり取りにおいて、ニトは未熟だった。

すぐに図星をつかれてしまう。

ウラノスもしてやったりという表情だ。

だがその表情ですら、どこか演じられたものであるような嘘くさい感じがする。

愚かな者が見れば、愛想の良い王に見えただろうか?

いや、そうではない。

ウラノスは常に隙を見せない。

わざと声のトーンを上げ、相手の心を揺らすのだ。


「ハッハッハッ! そうかそうか! 冒険者ニトの正体は深淵の……そして『龍の心臓』であったか! ハッハッハッ!」


――不覚。


これはニトのミスだ。

傲慢が生んだミス。

力を手にしたことで最強だと過信したニトは、余計なことを喋り過ぎた。

頭脳と精神面では最強ではないのだ。

そして皇帝ほどの貫録もない。

外面そとづらはイヴァンだが、目を見て向かい合えば、当事者同士には“見える”ものなのだ。


――相手の『力量』というものが。


「俺は『龍の心臓』ではない……」


「ハッハッハッ!……そうか? ならば何故、まるで当事者であるような反応を見せた? 何故、自らが手を下したように語ったのだ?」


皇帝はニトを嘲笑うかのように、抑揚のある口調で話した。


「ふ……小童が」


だが一瞬の内に笑みが消えると、広場がピりつくような、唸るような低い声でそう言ったのだ。


――ウラノスはニトの“未熟さ”を見抜いた。


まだ『言葉』を操るには“足りない”と悟り、ニトという人物の本質を見たのだ。


「小童だと?……」


「そう言ったが? 違うか?」


その瞬間、ニトの表情が荒々しく変わる。


「今すぐにでも! この国を滅ぼしてやってもいいんだぞ!?」


そして、ニトは愚かにも、皇帝の策にはまった。

冷静さを失い、感情のままに口を開いてしまった。


「好きにしろ? それで貴様が満足ならば、それで良かろう? だが貴様は認めるということだな? 自身を、我の言葉に翻弄された未熟な小童であると、そう認めるということでよいのだな?」


ウラノスはニトという人物をこの短時間で理解した。

勝ち負けにこだわり、馬鹿にされることを嫌う。そして幼稚。

それがニトという人物だと。


力があるのだから言葉で脅す前に、殺せば良いのだ。

だが……


ニトは力を手にし、最強であるとことを自覚した。

そしてそう思うことで、自信をつけていった。

だが次第に自身の中で、最強であることが自然なものになっていく。

それが傲慢を生み、いつしか力だけではなく、まるですべてにおいて最強であるかのように錯覚するようになっていたのだ。

だが今、それが暴かれてしまった。

錯覚であるということに気づかされたニトは、最強を手放したくない一心で、とっさに保守的になったのだ。

そしてそれが殺すということを、躊躇わさせている。


「お主はここへ何をしに来た? ん? 何を話しにここまで来たというのだ?」


するとウラノスは先ほどまでとは違い、緊張と警戒を解き、そう尋ねた。


ニトは怒りを抑えた。

そして、ここで手を出せば皇帝の思う壺だと、少々意固地になっていた。

それこそが皇帝の狙いだということにすら気づかないほどに。


「獣国……お前がこの国を支配下においているという話は本当か?」


それでもニトはどうにか冷静さを保ち、話を続ける。


するとウラノスは顎を撫でながら、ニトを見下ろした。


「ほお……どこでそれを聞いた? それは世間にはない情報のはずだ」


「答えろ! 獣人を虐げているという話は本当か?!」


その問いに対し、ウラノスは笑みを浮かべる。


「見れば分かるであろう? だからこその帝国だ! 獣国を支配し、そして獣人の力を得たからこそ、帝国は生まれたのだ! いや、力を取り戻したと言えよう! それがどうした? お前の話とはそんなことか?」


「解放しろと言ったらどうする?」


ニトは、怒りを抑えウラノスの口調に辟易しながら問う。


「無論、無理な話だが?」


するとウラノスは立ち上がった。

そして何故か、団長たちや医師に、広間から出ていくように指示を送った。


そしてそこに残ったのは、ウラノス、そしてラージュとジェイドの3人だ。

あとは王の衛兵だけが、置物のように立っていた。


「お主が『龍の心臓』であるかそうでないのかは、この際どちらでもよい。だがお主は少なからず、何かに関与しておると見た。そこで問うが……」


そして次にウラノスの口から出た言葉は、またしても、ニトにとって信じられないものだった。


「――龍殺しのカゲトラ、喰紅しょくべにのゼファー、蛇の王シャオーン、地狂いのアドルフ、妖艶のカリファ。この名に聞き覚えはないか?」


「お前は……どこまで……」


ニトは次々と飛び出すその名に、驚くことを隠せなかった。

そして、ウラノスはニトの反応から、まるで何かを見透かしたように笑った。

そしてそれは、先ほどまでの構えていたような笑みではなく、もっと純粋で濁りのない笑みだった。


――なんだこいつは? 何故そこまで知っている?


ニトはもはや、考えが追いつかない。


何故ウラノスはここまで知っているのか?

『龍の心臓』は、何百年も前にこの世から消えた冒険者のはずだ。

それらは存在しなかったかのように、歴史から抹消された名前のはずだ。

それを何故、皇帝ウラノスは知っているのか?

だがニトには分かるはずもない。


「そうか、知っておるか……なるほど……それはそれは」


次々と畳み掛けるように問いかけ、そして勝手に納得していくウラノス。

ニトにはもう口を開くことさえ出来なかった。

何かを安易に喋れば、また情報が出ていく。

まさに口は災いの元だ。

そうでなくとも読み取られてしまう。

ニトがこれほどまでに『情報』というものに、重きをおいたことはない。


「まさか……とんだ拾い物だ。このような形で知ることになろうとは……だがそうか、そうであったな……力は惹かれ合うものであった。そう考えれば当然と言えよう……」


ウラノスはブツブツと一人、また納得する。


ニトは次の一言を言えない。

また”何故、知っているのか?“と尋ねれば良いだろうか?

だがそれでは認めることになってしまう。

次に何を言うのか? ニトにはそれすら決められなかった。


だが何を考えているのか?

あろうことか、皇帝ウラノスはゆっくりとその全容を語りだしたのだ。

まるで隠す気など、ないように。


「ある日を境に歴史から抹消された『龍の心臓』……来る日も来る日も、ひたすらに我は彼らを探し求めた! だがいくら探せど! 痕跡はどこにも見つからなぬ。その結果、見つけたのは“『龍の心臓』”というまったく別の団体であった。だがその『龍の心臓』ですら見つからぬ! いくら探せど龍の尻尾はつかめぬどころか、姿すら見せぬ!」


ウラノス憤慨はするように語った。


「記述にはこうあった。一人を除く、他の者は皆、超人族であると……ならばまだ彼らはこの世界のどこかで生きていると、我はそう確信した。だが一向に見つからぬ。憶測と推測、仮説だけがいくつも生まれた。だが真実は何一つ見つからぬままだ……」


ウラノスのその表情には、先ほどまでの余裕がない。

まるで焦っているようにも見えた。

それはまるで、直ぐ目の前にある箱の中身を待ちきれず、よだれを垂らす賊のようであった。


「ニトよ、お主は何を知っておる?」


問いかけるその口調は冷静だ。

だが2つの目はギラついていた。


「答えよ! 奴らはどこにいる?!」



何故、ウラノスがここまで必死になって求めるのか?

ニトには分からない。

だが一つ、ニトの中には、ある手がかりがあった。

ニトは疑問と共に、そこに真実を求めた。


――その昔、ダームズケイルという国を滅ぼしたのが、その『龍の心臓』だと言うことだ。


そして何百年という月日を経ても尚、同じ名で君臨し続ける帝国。

そしてその帝国が、ダームズケイルを滅亡へと追い込んだ、『龍の心臓』を求めているという事実。


「狙いは……龍の心臓か?」


だが、だとしても理由が分からない。

ならば帝国は何のために他国へスパイを送り込んでいるのか?

何故、戦争を起こそうとしているのか?

それが引っ掛かっていた。


「答えよ! 奴らはどこにいる?! 生きておるのか?! それとも……「お前の質問に答える気はない」


ニトはウラノスの言葉を遮り、そう言った。

するとウラノスは荒げた気を治め、徐々に口調も冷静さを取り戻していった。


「龍の心臓とは、過去の遺物。だが現在もそれは存在し続けておる。それは何故なのか? 今も尚、存在し続ける龍の心臓とは? その団体は当然、過去のものとは違うはずだ。だが抹消された歴史を知るものであることは間違いない。カゲトラか……もしくは他の者か……分からぬ。いくら考えても分からぬ。だが我はある時、その記述を紐解くことで、ある仮説を導き出した。そしてそれが、我らの目的と重なったのだ!」


そしてウラノスは喜ばしいことであるように、ニヤりと笑みを浮かべながら問いかけた。


「ニト……お主は、何を知っておる? ん? 龍の心臓とは何だ? そこには誰がおる?」


その目はまるでニトを見ていないかのようだった。

ニトの頭の奥にある『龍の心臓』という、その正体を見つめているような目だ。


だがニトは飽くまで冷静さを装い、答える。


「お前らが獣族を開放しないというなら、俺もやり方を変える」


ニトはその問いを無視し、自分の話をした。

だがウラノスはその答えに、納得していないような表情を見せる。


「……つまり、それは宣戦布告と受け取ってよいということか?」


「今は安心して俗事に励めばいい。俺は手を出さない。その代り、俺に刺客を仕向けるのは止めろ。死体が増えるだけだ」


「何故だ? 何故そこまで獣人にこだわる?」


その時、“イヴァン”の体が赤黒く光った。


「――俺の世界を壊したくないからさ」


その答えに、ウラノスは耳を疑うような反応を示した。

そして疑問符を一瞬浮かべたあと、また自身で答えを出したかのようにニヤっと笑みを浮かべた。


「なるほど……お主も狂っておるということか」


だがニトには、ウラノスの言葉の心意が分からない。


「お前は獣国の何を握っている?」


獣人という種族が帝国を築く核となりえるのなら、獣国が支配下に置かれている事実は不可解。


――ニトはそう考えていた。


「質問しているのは、我だ。先に答えぬか!」


「言っただろ? お前の話に付き合う気はないと……俺の問いに答えろ」


「では話はここまでだ、直ちに立ち去れ。我にはやることがあるのだ、子供をあやしている暇などない」


ニトは溜め息をつき、うんざりしたような反応を見せる。


「そうか……先に言っておくが、俺はお喋りだぞ?」


「好きにしろ、話されて困るようなことは話しておらん。勘違いするな? 冒険者風情が。貴様など取るに足りん。我ら帝国の足元にも及ばぬ存在、つまりは蟻だ」


「話は済んだ、帰らせてもらう」


「ハッハッハッ! いきなり現れ尋ねるだけ尋ね、そして一方的に去っていくとは、何とも失礼な奴だ。常識がない! だからお主は小童だというのだ!」


「最後にもう一度だけ忠告しておく」


ニトは冷静に切りだす。

だがウラノスは見下したような視線から、表情を変えない。


「俺の世界を穢すなよ? 人間――」


ニトが最後にそう言った途端、イヴァンの体は突然に膨張し、そして破裂した。

するとそこには、肉塊と血が飛び散り、既にニトの気配は消えていた。


「ハッハッハッハッ!……“俺の世界を穢すな”とは、大きく出たものだ。傲慢、過信……まさに未熟な子供だ! ラージュよ、気にすることはない! 奴の紅き眼は虚像に過ぎん! 警戒するに足りぬ存在だ!」


ウラノスは豪快に笑った。


「確かに、魔力は感じぬ。おそらく深淵の愚者で間違いないであろう、だがとんだ期待外れであった。ただの腑抜けに過ぎん! ハッハッハッハッハッ!」


不気味なほど笑うウラノス。


「父上?……」


その様子にジェイドとラージュは困惑した。


「面白い……」


ウラノスは広間の外に響きそうな程、豪快に笑った。

そしてその後、小さくそう呟いた。


だがウラノスは、ニトを子供だと嘲笑い蔑んでおきながら、手に汗を握っていた。

それが一体、何を意味するのか?

それを知るのは本人のみ。


ウラノスだけである。

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