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「はい。そしてその者は恐らく――
「ふむ。では一番手っ取り早いのは、やはり『
「知っています」
「…………」
「誰も教えてくれないから、自分で探して……確認しています。場所もはっきり覚えています」
「……やはり似ておられる」
「え?」
「いえ。さて――王壁の魔石の場所は王族以外が確認できない
「…………」
ココウェルがナイセストに目をやる。
ナイセストは一人離れた場所で目を閉じじっとしていたが、すぐさまココウェルの視線に気付き、歩み寄ってきた。
「殿下、」
「ナイセスト。あなたに――」
「申し訳ありません。私は参ります」
「――え?」
「感知はできたのか。少々かかったな――鈍っているぞ。我らが主の
「申し訳ありません。この失態は成果で」
「ど――どこに行くというのです、あなたはまだ」
「
「……すべて、除くですって……!?」
〝何をしていたんですか?〟
〝魔波感知を〟
「……できるというのですか、そんなことが。たった一人で」
「――我らはティアルバー。
「
「…………!!」
「最強」。
そんな歯が浮くような寒い言葉を、大真面目に――――そして何よりの説得力を
「……一つだけ命令です、ナイセスト・ティアルバー……必ずわたしの下に戻りなさい。決して死ぬことのないよう――あなたの力はきっと、これから先のリシディアにも必要です」
「……それは」
――
そう思うも、ナイセストは話さず――ディルスはただ無言で小さく笑った。
「――必ず戻ってまいります。父上。それまでどうか
「この命に代えても。さあ行け
「……行ってまいります。殿下」
「!」
言うなり、ナイセストが自身の影に沈むようにして消える。
闇属性の転移魔法により、彼は音もなく城から消えた。
「……ディルス・ティアルバー」
「なんなりと」
「『
「……よろしいので? 王壁は――」
「戦場を一人で移動する方がよほど恐ろしい。解っていますか――もうわたしにはあなた達親子しかいないのです」
「
「え……?」
「我が感知が正しければ。もうじき――集団でここへやってくる者達が現れます」
「!」
言葉と同時に、城門が勢いよく開かれる。
駆けこんできたのはペトラ、シャノリア、リリスティア、そして――
◆ ◆
「あの馬鹿め……あれほど動くなと言いつけておいたのにっ……!」
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