白き。
「――――ぇ」
白旗を結んだ棒が、中身の無い音をたててバルコニーに転がる。
その切り口は
ココウェルの視界の端で
その白布が彼女の背後へ消え――――次の瞬間にはその布を肩から
ココウェルの後ろに、誰かいる。
風が鳴る。
振り返ったココウェルの視界で、白き布がひるがえる。
涙でにじむ視界の中、ひるがえる白のその先には、
王女を守るように立つ、手足に鎖をぶら下げた
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