8
「……お前で終わりじゃないんだよ。俺はまだまだ進まなきゃならない。なのにお前は
額を伝う血。
その血が視界で切っ先と交わり、ギリートに触れる。
素で目を見張るギリートが、ただひたすらに
「――その
「――――――ふ、は……はは、ハハハハハハハハ――――――!!!!」
その整った
ギリート・イグニトリオは、首を
「はァ――――そうか、そうかそうか! それがお前の
「その通りだ」
「ならば何故――――お前は今その有象無象の為に、我等
――――――。
〝お前は、プレジアを守るために動いてるのか?〟
ギリートへ向けた言葉が脳裏を
そう、本当にあの言葉を投げかけられるべきは俺。俺なんだ。
〝常にお前たちの
知ってしまったからだと思っていた。
自分が黙っていることで物事が悪い方向に転じていくのが解っていて、ただ
だが考えてみれば俺は――
〝だから――これきりだ。これ一度だけ――――もう一度だけ、背負ってみよう〟
もう
ああ、気持ちが悪い。
俺に俺が
〝あなたはお母さんと同じ……いいえ。お母さんよりも大きい、大きい優しさを持っている〟
イツカのダレカがまたドコカを
復讐者である俺に優しさなど不要だ。
優しさとはこの世界に在る、命を持った「誰か」に対して抱かれるもの。
不特定多数に抱いてしまう可能性のある主観的な観念など、復讐者にとっては
つまり、優しさとは。
〝そうともさ、これは無駄だ。時間の
時間の空費。
存在の冒涜。
無意味なる徒労。
これならば、
「――――理由なんてたった一つだ、神よ。
「――――――ッハハッ!!!」
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