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「――――――ッ゛ぁ゛あッ!!!」
声よりも先に、腕が反射でその焼き
異世界に来てからのどの戦いよりも無様に、ただ本能だけでその痛みから遠ざかった。
「ぁっはは……無様だな。人間。まあ、こんなお遊びは
素の笑いをゼタンの皮で
何か言い返してやりたかったが、首を
〝にいちゃん〟
――久しぶりに感じる
「……で? それだけか?」
「それはこっちの台詞だ。まだ出し切ってなんかないんだろう。全力を見せてみろよ、ゼタンッ!」
「…………」
何か言いたそうな目で、ギリートが
直後、
いつか見たオレンジが、俺の目の前を埋め尽くした。
〝影に至るまで焼き尽くしてやるからよ――――!〟
――胃が痛む。
この上、痛みの呪いまで騒いでたら終わってたな。
落ち着け。
予想出来ていたことだ。テインツの
「ッ!!!!」
――一瞬遅く出た
背中に手。
「
「ッ――――!!!」
「う、お――――?」
――咄嗟にギリートの腹部に
すぐに左の剣で上から――
「止めたつもりか? それで」
「ッ!!?」
「
――――眼前の空間が、熱に
爆風が、全身を襲った。
◆ ◆
『ッッ!!?』
シャノリアが青ざめてナタリーを見た。
「客席からの映像出してッ!!」
「もう確認してます、連絡も取りました。客席には炎も
「良かった……ッ、あの子たちは――――」
「なんであんなの許可したんですか先生ッ!!!?」
静かな、しかし激怒した声はリフィリィだ。
「メチャクチャですよ……メチャクチャじゃないですかこんなのッ!! あれだけ持ってらした劇作への情熱はどこへやってしまわれたんですか!? 舞台裏のみんなやお客さんに被害でも出たらどう責任取るつもりなんですか!!?」
「ちょ、ちょっとリフィリィ押さえて――」
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