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 システィーナとエリダ、パフィラが声をそろえる。

 リアが目をしばたかせてマリスタを見た。



「や、やるって……言った通り課題山積みだよ?」

「でも実現不可能なことじゃない。他に出来ることもなさそう。ならやってみるよ。せっかくシスティが提案してくれたんだし」

「あ……いやでも、ちょっと思いついたから言ってみただけよ? 何か確信があったわけじゃ――」

「いいんだよ、それで。そうやって少しでも考えて言ってくれるのがホントにありがたい。ありがとねシスティ。さてと、あとは具体的に詰めてこなきゃっ」

「え、え、え。マリスタアンタ、マジでやる気なの?」

「もちろん。たとえ実現できなくても、やるだけのことはやる。他にもっといい案を思いついたら当然そっちに切り替える、それまではとにかく動く。じゃないと――待ってるだけじゃケイも学祭も帰ってこないから」

「…………」



 リアが視線を落とす。

 その間にもマリスタはいそいそと舞台裏から抜け出し、舞台に腰かけてじっとしていたナタリーを連れてスペースの外へと消えていった。



「……うっしゃ。じゃあいっちょ、マジで取り組んでみましょーか!」

「おっす!」

「……そうだね」

「うん、頑張ろ!……システィーナはどうする?」

「……人数、だけが問題かなーと思ってね」

「人数?」



 システィーナが口元に拳を押し当てるようにしたまま言う。



「デモとかなんとか言っても、私達が最終的に求めていくのはアマセ君の解放と、学祭の中止撤回てっかいっていう大きなことよ。どっちも学長命令かもしれないんでしょ。つまり私達は、プレジアを相手にデモを起こすってことだよね」

「ぷ……プレジア相手」

「わはは、でけー!」

「……そうなるね」

「当然、少数の声なんて気にもかけてもらえないと思う。プレジアを動かそうと思ったら、そう……プレジアの生徒達全員が、一緒になって叫んでくれるような声の大きさが日宇町になると思う」

「ぷ、プレジアの全員が……!?」



 尻込みするエリダ。

 システィーナは苦笑して立ち上がった。



「ごめん。意気削いきそいじゃったわね。そうまでしなくてもアルクスや学長が動く可能性はあるわけだし。他に何も思いつかないならやるべきよね。できる所からやるとしましょう。まずは母数を集めようかな」

「母数?」

「少しでも多くの人が、中心メンバーとしていた方がいいでしょ。とりあえずは、劇のメンバーからでも、誘ってみようと思うわ。あなた達はどうする?」

「うん。私もいっしょに行く」

「あたしも!」

「わたしはべつこうどー!」

「え? 何パフィラ、あんた何か当てがあるわけ?」

「ぬふふ! ひみつ!」

「ふふん、じゃー期待して待っててあげるわよ!」

「…………」

「どうしたの? あなたが一人で笑ってるなんてめずらしいじゃない、リア」

「……システィーナこそ、ほっぺゆるんでる」

「ふふ。そうかもね……私、マリスタがまたしょげちゃうんじゃないかって思ってたから。ちょっと嬉しいのかも」



 システィーナが腕を後ろに組んで伸びをし、遠くを見ながら言う。



「ちょっと前までは、アマセ君に振り回されて調子に乗ったり、落ち込んだりしてたマリスタだったのにさ。変わるものよね」

「ホントよねー。マリスタのくせにさ、なんだか遠い世界の人になってくみたい」

「……私も、そこに行きたいな」

「そこ?」

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