16
「ケイ・アマセを助けるわ。
「た……!?」
「助ける!?……ったって、」
口をあんぐりと開けて固まるマリスタの前に、ロハザーが出る。
「さっき言った内容、そのままの声明文を、ケネディ先生に用意してもらっていたの。これから執行部に提出しに行くわ」
「……どうにかなるのか? そんなことで」
「ふふ。私達に出来ることは、これしかないってこともあるけど……数はそのまま、大勢の意志表明にもなる。世論もそうして動いてきた歴史がある。下々の声ってのも、なかなか馬鹿にできないものよ。――でも、」
「プレジア教師、総勢五十名。こればかりじゃあ、ちと声明には足らねぇんだよなあ」
「だ、ダメじゃないですかっ!」
「やっぱりですか。わざわざ声明の
ギリートが剣の柄に手をかけ、おどけた様子で
シャノリアが
「そんな前時代的なことするわけないでしょ。――この
「全員――」
マリスタが目少し見開いて、背後を振り返る。
そこにいるのは、総勢七十
「――少し時間を取らせ過ぎてしまいました。改めて問います、みなさん」
アドリーが笑みを引っ込め、リグオートを見る。
「
「――――……一つだけ聞かせてくれ。アルテアス」
「え――わ、私?」
リグオートが申し訳なさそうな目で、しかし
「お前達が隠してることを、
「…………」
――少女、そう
しかし、
(プレジアが、どうなっているか)
〝
〝
「プレジアは、差別と偏見に満ちている」。人は、少女へ口々にそう言った。
(……違う。それはぜったい違うんだって、体のどこかがずっと叫んでる)
だが、まさに当事者としてプレジアの差別と偏見の
〝ダメじゃないですかっ!〟
(――――ダメじゃないんだ)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます