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……トルトが口元を
こいつの笑い顔なんて、初めて見た気がする。
「予感はあったんだ。初めてお前さんと会ったときにな」
〝世間じゃこういう状態を、記憶喪失って言うんだろう?〟
〝知りたいんだ、魔法のことを。この世界のこと全部を〟
〝……………………………………〟
「どこからともなく、フラっと現れた
「……お前と俺が、同類」
「ま、てんでザコだったから最初は何も期待してなかったけどよ。早々に
〝『痛みの呪い』ですッッッ!!〟
「……だから、俺もお前に
トルトが地を
「さあ。次は俺をどう超える。
「………………!」
……言ってくれる。
こちとら持病持ちの駆け出し戦士見習いだぞ。奇跡の戦士でも、ご都合主義的な主人公でもなんでもない。
無いときは無いんだ。勝ち目なんて。
思考はずっと回転している。
だが考えつくどの手も、あの
だがトルトのそれは、ナイセストが見せたものとは比べ物にならない肉体強化度だ。
加えて、攻撃手段は
ダメだ。
打つ手が無い。
〝――
……底なしの、強さ。
〝
――そうなんじゃないか?
目の前にいる男。
こいつは、本当に――
「――――『本物』――――!!!」
◆ ◆
「……一体何だというのです、あの化け物は……」
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