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 歓声かんせい



 木枠きわくで長方形に囲まれ、その四隅よすみ魔石ませきの置かれている空間。

 体育館ほどの広さを持つその空間にはすでに十数人の男女ペア――――か、カップルがおり、男子の胸部にはそれぞれ、赤く発光する六角形の魔石――宝石? が装着されて――



『カレシくんにもプレゼント!!!』

「のごッ?!!?」

「ッ!??」



 ナタリーが引くほどの圧を持った筋肉の腕が、俺の胸に赤の宝石を押し付ける。すると宝石は光を放って俺のローブにボタンのように固着こちゃく――しやがった、ようだ。



「がは――と、取れん……?!」

「そんでもってカノジョさんにはっ!」

「、え゛」



 宝石の光を指でひとひといする筋肉。

 彼はその光る指先を、無防備に床に置かれたナタリーの手の甲に押し付けた。

 ナタリーが目を見開くと同時に、光はナタリーの手の上で――ハート形に固着した。



「――――――なんですかこれェっっっ!!??? 嘘取れないっ」

すごい嫌がりようだなお前も……」

「それが二人をつなきずなだぜっ!」

「守り抜け愛の証!!」

「殺しますよ貴方達っ!?!?!?」

「大丈夫だナタリー、とりあえず命や魔力は吸われてない」

「解ってます学生のお遊びなのですからこれッッッ!!! 動転してるのではなく不快を訴えてるんです私はッ!!」

「わ、分かった分かった耳元で叫ぶなっ」

「ったく。いいから出ますよっ。外すも何も、とにかく会場から出てしまえば参加はさせられないはずです!」

「あ。そ、そうだな、考えてみれば」

「早く頭を戻していただけませんかねぇ調子の狂うッ……って、」

「ヘーイ!」

「帰さねぇぜ! 筋肉の壁!!」

「大体何なんです貴方達は。主催者しゅさいしゃを出しなさいッ、こんな参加強制が認められるわけがないでしょうッ」

「認可済みィ!!」

「許可証はここに!」

「ハァ!? 誰がこんなもの許可…………ギリート・イグニトリオ生徒会長…………!!!」

「そう! 今年のサークル全体会議においてこれまでの功績こうせきが認められ!!」

「イベント主催者の『恋に恋した同好会』が『大魔法祭だいまほうさいにて好き放題な企画をブチ上げられる』という最高権利を獲得かくとくしたのであるゥ!」

「何なんだその頭の悪そうな同好会は……!!」

「くそっ、あのヘラヘラ貴族、今度会ったら目にもの見せて……って、ケイさん! なんか来てますけどっ?!」

「何が――――こ、」



 ナタリーに指差されて飛ばした視線。

 そこには、木枠を乗り越えてコチラに向かってくるココウェルの姿。



「わたしを差し置いて何に参加してんだお前――――!!!!」

くそが、次から次へとっ……!!」

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