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「もう、どうしたんですか急に。思いつめたような顔ですよ」
「あ、あはは。思いつめてたね、確かにね」
「え、そうなんですか? 私でよかったら聞きますよ!」
「い、いいから別に! グイグイくるわねセイカードあなた」
「アルテアスさんの
「あぁ、私のマネね……え? マネ?」
「でも、そんなに思いつめるほど悩んでるんですね。アマセ君との関係で」
「アハハ、だからあなたが気にするような感じじゃ――」
「多そうですもんね。ライバル」
「ライバル?」
――またも
(なんなのよ……関係ないったら。私はまだあいつと友達にもなれてないんであって、……恋人、とか。そういうのはまだ、スタートにすら立ってないの)
頭に過る
「いないよ。ライバルなんて」
それをいっぺんに追い出すために、マリスタは少し大きな声で、ケイミーの言ったことを否定した。
「えぇ~何ですかその強気な発言!!」
「違う違う。私とケイは恋人とか、そういう関係では全くないよって話」
「またまたー」
「ほんとよ」
「――……あー。ホントに?」
「ホント。ごめんねェ面白くなくってぇ~」
「う、うー……? あれ、なんか思ってた感じと違うなぁ」
「どこで聞いた噂なんだか知らないけどね。私はそんな風には思ってないの。確かにあいつ顔はいいから、勘違いしちゃうのは分かるけどね」
「だってお
「…………セイカードこそ、そこまでこだわるってことは」
「え?」
「狙ってるの? ケイのこと」
「ぁ……いえ、私は」
ケイミーは組んだ両手を腹部でもじもじとさせながら
「……好きな人、いるので。カッコいいなって思いますけど、狙ってないです」
「ほほ~~ん???」
「あっ、ヤダ……やめてくださいよ冷やかすのは!」
「なァに言ってくれちゃってンのよ、人のことには散々ツッコんどいて!」
「やァあいやですいやですっ、ダメなんですそういうの! されるのは!!」
「まァちなさいこの――――ッ、」
笑いながらケイミーを追いかけようとしたマリスタが止まり。
ケイミーのレッドローブを引っ張り、背の高い
「むぎゅ?! な、なにすんですかアルテアスさ」
「しーっ!」
人差し指を口に当てつつ、植物の大きな葉の隙間からどこかを見るマリスタ。
ケイミーもそれに
二人の視線の先。
そこには、派手な服装の
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