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……実技試験の時は、俺の意図せぬ所では誰も傷付いてなどいない。
その他大勢が勝手に
だがそうなると、どうにも今回は手際が悪いな。
負い目は増えていくばかり。呪いの影響を
〝アマセって、
〝俺、お前が心底好きかもしれん〟
〝ふふ。私も〟
〝私は、あんたの友達になりたい〟
……
俺の周りにいる奴らはもう、俺にとってその他大勢ではなくなってしまっている――――
――――ここが、
頭を振って、その言葉を無理やりに忘れ去った。
早く力を取り戻さなければ。
心身の
戦いに身を置き続ける理由を忘れるな。
ここが異世界であることを忘れるな。
俺に
早く力を取り戻さなければ。
その為に、早く『痛みの呪い』への対処法を見つけ出さねば。
その為に、一刻も早く情報源となる人物に接触を図らねば。
その為に、俺を縛る
その為にも、
その為にも、パールゥ・フォンをとっとと遠ざけねば。
その為にも、いち早く、奴に拒絶の言葉を――――
「……くそっ」
……胃が痛い。
呪いも何もなく、純粋にストレスでも
まったく想像も付かん。
「ご――ごめんっ!」
「!」
――ふわり、と落ち着かない香りが鼻を
「はぁ、はぁっ……待ったよね。ごめんね、急いでたんだけどっ」
「…………遅れたのは間違いなく、その気合の入った身だしなみのせいだと思うんだが」
「そっ、そういうこと言わないのっ……でりかしーだよっ」
……マリスタの時もそうだったが。
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