3
「へー…ぇ、アマセ君って
「……当たってるぞ」
「え?…………あ、ごめん。でも、も少し待って……はい。終わり」
……肌色の思考を打ち捨て、布に集中できるシスティーナが
「うーん……前から思ってたけど、この髪切ったりしないの? 伸びは遅い方だと思うけど、
「ッ?!?」
「わ、痛かった? ごめん。でもほら、この
「い、いきなり背中をなぞるなこのッ……!!」
「あ、あら。そんな
「言い方、」
「背中弱いんだねぇ」
「言い方!!」
「うふふ、ごめんって。さ、じゃあ続き測りますよー」
「チッ……無駄話はいいから、早く終わらせてくれ。さっきから鬼がこっちを
――――そこにあったのは、怒気とも絶望ともつかない、
シャノリアではなかった。
いや、シャノリアもこちらを見ている。視界の中央で、横道に
だが、そんな鬼
それでいて口元には
シンプルに
恋は
パールゥはきっと、今自分がどんなオーラを放ち、周りからどんな目を向けられているかなどまるで見えていないのであろう。
それ
「ん? どうしたの、
「言い方ッ!!! 何度言わせるッ」
「や、体の
「…………ハァ」
「もしかして、鬼監督がすごく怒ってるとか?」
「鬼が増えてる」
「は?」
「なるだけ離れて、かつ
「……? りょ、了解」
「っ?!?! だ、だから当たっているとッ……!!」
「え、あいや、ごめ……でも急ぐんだったら早くしないと」
「ゆ、ゆっくりでいいから」
「どっちよっ。あーもう、一体何が鬼だって……ん……」
チラ、と振り返り。
ガバ、と体を戻すシスティーナ。
「……じっくり時間をおかけしますわ。ミリも
「……ああ、頼む。
「クローネッ!!! いつまで時間をかけてるのっ、あなたの
鬼監督の怒号も、どこか遠かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます