終幕
剣が折れる。
ナイセストが
俺は前のめりに倒れ、また小さく血を吐いた。
視界が
霞む視界を、それでも閉じず、前を見る。
最初に見たのは、床に落ちるホワイトローブの
次に見たのは――――力無く
――――――聞こえてきたのは、耳を
『時間だ、そこまで!!』
時間切れ。ということは、十五分。
――まったく。
なんと長い、十五分か。
全身の筋肉が
解るが、意識だけは手放さないようにしなければ。
決着を聞くためではない。
今意識を失えば、腹の傷口を塞いでいる氷が解けてしまうかもしれないからだ。
死んでしまっては
――
金輪際、誰かの期待を背負って戦うことはすまい。
重くて重くてかなわなかった。
引き
それを奴ら、次から次へと俺に背負わせてきやがって…………まったくもって不適格じゃないか。どいつもこいつも。
筋肉が
緩んでいるからだ――顔が、自然と笑ってしまうのは。
せめて伏せておこう。
血まみれで笑う顔など、それこそ
――――――頭が
前を見る。
そこにいるのはナイセスト。
いや、
「がッ――――は――――ッ!!?」
その痛みに、俺は
「…………なん、だコレ」
俺を
落ち
上半身だけの骨。
そして――その胸元に抱きかかえられ
あいつ、意識はもうないのか……? でもだったらこれは、
「ッ…………!!!」
見えた。
目に入ってしまった。
その手に握られた、血の
待て。
それはゆっくりと、
今そんなものを、
振り上げられて、
くらったら、俺は、
赤銅は、
俺の胸に、振り下ろされt
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます