名▓しの哥

名▓し

『名前はまだない。』



『生きる』という行為ははじめ、誰かから与えられた前提だった。



 最初はそれが嫌で、反発もした。誰かのせいにしている間は自分の無力を意識せずに済むから。

 本当に『生きる』ということは、遠い意味で孤独になるということで、みんなそれが怖いから誰かの顔を伺っている。

 だから弱い。僕も含めて。



 ボクは何者でもない、名▓し。

 掛け替えのある村人A。

 自分の人生は、結局は自分のものなんだよ。

 言い訳は効かない。わかってる。

 歩き出すのは怖い。継続は辛くて、苦しい。

 それでも、いつか名前のある誰かでいるために——





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