第20話 プッチプチ・タイムスリップ。

伯父はもうすぐ90代だろうがなんだろうが、心はいつでも少年の人でもある。

記憶力がずば抜けているのか、昔話がものすごく濃くて詳しい。

昔住んでいた家の話から戦前の人気の歌舞伎役者さんの話まですらすら出てきて、しかもそれを私が知っていて当たり前、な感じで話すときがある。

無理無理、戦前のことなんて知らないってば。


「おや。この話、ご存知ない?」

と聞かれるけれど。

「残念ながら年齢差がありますので」と、必ずツッコミを入れる。


でもね。

そのやりとり、わりと嫌いじゃないですよ。

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