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あなたは意を決して少女に話しかける。会話の取っ掛かりはやっぱり世間話が無難だろう。
「ども」
「あ、はい」
「えぇと、きょ、今日はいい天気ですね」
「そ、そうですね?」
異性と話すのに慣れていなあなたはいきなりキョドってしまい、会話が若干不自然になってしまった。対する彼女も戸惑いながら会話に付き合ってくれている。あなたは何とか会話を持たそうと必死で話題を繋げていった。
「晴れて良かったですね」
「ですね」
「え、えっと……」
天気の話題が終了していまい、早速あなたは言葉に詰まってしまった。気まずい沈黙の時間が流れる中、あなたの頬を一筋の汗が伝う。次の会話ネタを中々思いつけない状況で、今度は少女の方から話しかけられた。
「あの、私、そろそろ……」
「あ、そうですか」
どうやら彼女にも何か用事があったらしく、この場から去らねばならないらしい。引き留めようにも、引き止める言葉を何ひとつ思いつかなかったあなたはここでも沈黙してしまった。そうこうしている内に、少女はあなたに向かってペコリと頭を下げる。
「では、良い旅を」
「よ、良い旅を!」
この挨拶を最後に彼女はあなたの前から去っていった。折角会話を試みたのに実を結ばなかったと言う事であなたの心の中に後悔の念が渦巻いていく。
自分の選んだ選択を軽く後悔しながら、あなたは観光を続ける事にした。広場のベンチに腰を掛けて、この街でまだ訪れていない場所はと、観光パンフレットを片手にあなたは次の行き先を考える。
そうしてあなたは幾つかの候補地を選び出した。古代のロマンあふれる遺跡か、遺跡以外の観光地だ。
そりゃもう遺跡でしょ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886028099/episodes/1177354054886036748
いや遺跡は止めておこう
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886028099/episodes/1177354054886073742
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