第117話 真夜中の出来事

聞こえるのは蒼の風

深い夜を連れてくる

軋むガラス窓の縁を

叩いて存在を示して


雲間から覗く金色は

静かな大地を貫いて

空へと導く一本道を

眠る街の中に築いた


痛いほどの静けさに

この身を横たえれば

舞い上がる儚い現実

沈み込む夢のカケラ


体は夜へと同化して

甘く闇に溶け始める

月へと続くその道に

心だけを残しながら



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