第94話 空に浮かぶ骨
山から浮かぶ白い骨が
静かに町を見下ろして
暮れていく今日の日を
声もなく見送っている
骨に向かって走る人は
何の感情も持たぬまま
ただ日々のルーティン
淡々とこなしてるだけ
時が経つのに比例して
徐々に輝きを増すのに
しんとした寂しさだけ
夜の町に降り積もって
その中に埋もれるのを
止めもせず受け入れて
ずぶずぶ沈み込むのを
空の骨だけが見ている
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