第92話 透明に

空を流れるひこうき雲が

かすかな白を散らしながら

さようならの絵を描く


消え行く白は遥か遠く

決して群れることもせず

もう二度と出会うことはない


残された空はただ青く

吹き抜ける風は儚く

その透明に一滴の涙が落ちた

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