第68話 無力感

この何も出来ない両手を

ただひたすら空に差し伸べて

透き通る青を掴もうとしても

指の間からすり抜けて

いっそ悪魔に魂を売り飛ばして

万能の性能を手に入れれば

この手で誰かを救うことも

出来るようになるのだろうか

そんな虚しい想像さえ

青空に吸い込まれ消えた

流れていく白い雲が

少し笑った気がした

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