第64話 朝焼け

幾つもの色彩が織り成す

一枚の朝焼けを見たとき

ああ世界はいつか終わるのだと

なぜか妙に腑に落ちて

その淡いオレンジと青の合間に

この体ごと絡まって

遠く遠い空の底へと

沈み込んでしまいたくなった


やがて朝焼けは静かな青をつれてくる


明けない夜があったって

それはそれで別にいいから

この記憶の奥にしまった

あの一枚の朝焼けだけは

決して失われませんように

なんて殊勝なことを願う

こんな臆病な私の存在を

流れる白い雲だけが見ていた






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