第61話 一夜雲

暗がりに浮かぶ白い雲

夜へと還り損ねたか

見知らぬ空にただ一人

漂う心許なさを

重ねる遠く滲む月

ただその光に手を伸ばす


報われない孤独の影は

ひっそり時に身を委ね

胸へと宿る虚しさは

やがて淡い水色へ

弾けるソーダ水のように

しゅわわと泡になって消えた

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