第60話 葬列
遠くに聞く雨の
温度を感じながら
見つめるその先には
冷え切った指先
閉じたままの瞼は
開くことを忘れて
ただ過ぎる時間の
底辺を漂う
散らばる花びらは
朽ちていく体を隠す
それは憎しみにも似た
透明な愛のカケラ
失われていく命を
ここで見送りながら
捧げるその祈りに
一筋の涙を
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