第50話 逆らって

目まぐるしく流れる時の中で

足を取られないよう必死に踏ん張って

でもどれだけ頑張ったとしても

その先が何も見えなくて


このまま流れに身を任せて

どこに辿り着くかも分からずに

ゆらゆら時を揺蕩いながら

命を終えるのもいいかもしれない


そんなこと思ってみても

自分で道を決められないことが

どうにも悔しく思えるから

仕方なく流れに逆らってみるんだ


打ち付ける波は冷たくて

吹きつける風は痛くて

でもそれを感じる私は

今ここに生きていて


誰に許されるのではなく

ただ自分で自分を認めたいだけ

それが出来ればびしょ濡れでも

たぶん笑っていられるんだ

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