第9話 砂の城
人の手でこれまで作り上げてきたものなんて
自然の力で一瞬にして消し去ることができる
そんなあまりにも当たり前のこと
どうして忘れてしまえたんだろう
今あるこの日々がいつまでも続くなんて
なぜか今まで信じていられた
無邪気なんて言葉で飾ってみても
事実はどうしようもなく無知な子ども
いつまでも在り続けることなんてなくて
失われないものなんてなくて
だからこそ人はその存在に幻を見て
永遠なんて脆い夢を胸に抱く
どれだけバカみたいだと笑われても
いつも当たり前に存在していた現実は
吹く風の前にさらさら消えた
だってこれは砂の城
どれだけ必死に積み上げてみても
握りつぶせば儚く消える
この脆くも美しい砂の城で
人は何を思うのだろう
風に舞う砂をその目で見ながら
一体何を思うのだろう
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