第4話 雨に沈む

こんな雨の日は

痛みも哀しみも涙も

吹き付ける雨のベールが

全て隠してくれるから

その中に身を潜め

体を覆う傷を癒やしながら

ただ時が過ぎるのを待つ

途切れぬ雨音を追いかけて


雨に沈んだ人影を

数えて今夜は眠ろう

耳に届くその音を

子守歌にして眠ろう


やがて明けた朝は

重い灰色をまといながら

不機嫌そうに流される

灰色のヒトを見つめる

ヒトはほんの少しだけ

軽くなった体で歩く

疲れたらきっとまた

雨が隠してくれるから


雨に沈んだ人影を

数えて今夜は眠ろう

触れた肌のぬくもりを

心の底に閉じ込めたまま

次に晴れた日はきっと

独りでも歩いていける

耳に残る雨音に

そのリズムを合わせながら



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