介護休業延長
体育祭
8月31日で終了するはずだった介護休業を、渋々延期しました。
私と夫の手取りでは、事実月々の生活がギリギリで、ボーナスと児童手当を入れるとやっと余裕がでる程度なので、家計的には休んでいる場合では無かったのですが、次女の将来と天秤にかけ、貯金を切り崩して生活することを選びました。
とは言っても、7月中旬に起きた交通事故の方もお金が下りてきていませんでしたし、去年の冬に壊れたサンルームの天井は穴の空いたまま。大雨の度にバケツを置いて対処している状態です。働かなければ生きていけないこと、それでも次女の中3はこれっきりだということで、苦渋の決断でした。
9月から11月の3ヶ月、延長させて貰うことになり、子どもたちにも夫にも贅沢は出来ないんだよと何度も念押しました。しかし、実際どれくらいキツキツな状態で家計を回しているかは、財布を握っている主婦にしか分からないというのが実情です。
今のところ、休む前とあまり変わらない暮らしをしていますが、外食の回数や店屋物の回数を減らし、出来るだけ原材料からご飯を作ること、本当に必要なものは買う、余計なものは買わないようにというくらいしか節約方法がなく、なかなか思った通りに行かない物だなと痛感しています。特に、子どもの成長は著しく、直ぐに靴はダメになるわ、お下がりの服では間に合わなくなるわ、しかしそれは必要経費だとぐっと堪え続けています。
さてさて、次女のことです。
9月の一発目、1日に何と体育祭がありました。
この日は天気がとても悪く、延期するのかそれとも決行なのか、朝になってもハッキリ分からないくらいの天気でした。夕方から雨の予報、それまでは曇りの予報だったようで、体育祭は決行されました。
天気の悪い日は具合の悪くなる次女は、朝起きられず、相変わらずグッタリとしていました。
前日に、
「待ってるからね」
と主任の先生に言われ、本人もどうにか行きたいとは思っていたようですが、なかなか起きられません。行けるのか行けないのか全く分からない中、お弁当は念のため作っておきました。
またこの日は、夫の職場からプロバスケットボールチームの山形ワイバンズの観戦チケットを貰っていたため、昼から他の子どもたちを連れて行くという予定も入っていました。無料でプロのバスケチームの試合が見られるチャンスなんて滅多に無いので、そっちも無下には出来ません。
次女の体調次第ではありましたが、場合によっては夫が一人で下の子どもたち三人を連れてバスケ観戦へ、私が体育祭へと向かうつもりでいました。
しかし、夫は下三人を一人で外に連れて行く自信がないのか、それとも最初から私も一緒にバスケ観戦に行けると思っていたのか、なかなか行こうとしません。午前10時過ぎから、高校生の試合、午後1時からワイバンズと仙台ナインティ・ナイナーズとの試合でしたので、結局、高校生の試合はパスして、プロの試合に間に合えばいいのでは、ということになりました。
次女の着替えや朝食を済ますと、もう午前10時半を回っていました。
フラフラしながらも、どうにか車に乗り込み、勉強したいと言う長女を残してみんなで中学校へと向かいました。
日差しはありましたが、中学校のグラウンドには殆ど人影がありませんでした。
知り合いを見つけて訪ねると、
「今、体育館に移ったみたい。これから綱引きするみたいだよ」
と教えてくれました。
車に夫と子どもたちを残し、私は次女と共に体育館へと向かいました。
どうやら朝から天気はどうにかもっていたようなのですが、私たちが家を出る少し前に雨が沢山降り、急遽プログラムを変更して体育館に移動し、競技を続けることにしたようです。体育館では、やっと整列の終わった生徒たちに、体育科の先生らしき人がこれからの日程の説明をしているところでした。
「丁度いいじゃん。入ろう」
言いましたが、マイクで先生が説明しているところの直ぐ後ろから体育館に入る勇気が無く、しばらく廊下で様子を覗いました。そこに丁度、見知った先生が通りかかり、次女をお願いしました。私は弁当を所定の教室へと運び、そのままバスケ観戦へと向かいました。
有意義なバスケ観戦を終えたころ、丁度体育祭も終わりの時間を迎えました。
中学校へと向かうと、片付けの最中でした。
天気も午後からは回復したので、グラウンドに戻り、競技を再開したようです。
どうやって過ごしたのか、具合悪いのに無理やり引っ張ってと逆ギレされるのかと、ハラハラしていましたが、次女は友だちに交じって、楽しそうに陣地から戻ってきました。
その日は皆運動着の半袖半ズボンなのに、次女だけ寒いからと長袖長ズボンで行ったので、遠目からも直ぐに分かりました。
朝向かったときとは全く違う表情に、こちらが面食らうくらいでした。
「どうだった?」
「写真撮ってた~。競技にも参加したよ」
ちょっと信じられなかったのですが、お弁当のあとムカデ競走に出て、午後はカメラマンとしてグラウンド中を駆け回っていたそうです。前日までは、もし体調的に無理なら、テントの下で点数付けの補助でもと言われていたのに、驚くくらい動き回ったそうなのです。
「エエッ! 凄いじゃん!」
それはもう、びっくりでした。
やれば出来る。
体調次第だけど、動こうと思えば動けるじゃないか!
まさかそんなに頑張れるとは思わず、もしかしたら、この先の3ヶ月こそは順調に進むんじゃないだろうかと、私はそんなふうに思ってしまったのでした。
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